緩やかに吸収され、体に溜まりにくいから身体に良いイメージのあったトレハロース。
今年(2018年)、実は重篤な腸炎を引き起こす可能性があるという内容の論文が発表されたそうなんです。
新しい食品なので、いつかはこういった研究結果が出るんじゃないかと心配していたんですけど・・。
健康に良いというよりは、身体に害がないイメージのトレハロースだけに、ちょっと残念。
でも、よくよくその論文について調べてみると、気になる点もいくつかあるんですよね。
素人ながら、できる限り分かりやすくトレハロースの害について、本当なのか調査してみました。
トレハロースは危険といわれる理由とは
これまで、トレハロースが危険と言われていた理由は、トレハロースの原料になっているトウモロコシが遺伝子組み換えされたものだから、という一点でした。
遺伝子組み換え食品は、摂ってすぐに具合が悪くなったりする訳ではないです。
ですが、長期的に摂ると人体にどういった影響が出るのか、まだよく分かっていないと言われているんですよね。
ただ、それでもトレハロースは人体に著しく影響を与えるとは言われておらず、世界保健機関(WHO)でも摂取の上限量を設ける必要はないとされてきたんですよ。
さらに、トレハロースが天然の糖質だというところも、毒性が少ないと考えられてきた理由の一つだと思います。
「夢の糖質」と呼ばれることもあるくらいなんですよ。
さて、それを覆すような話が、今回発表されたという論文です。
その論文によると、クロストリジウム・ディフィシル(clostridium difficile)という重篤な腸炎を引き起こすことのある菌の数種類に、トレハロースを利用して増えたり病原性を強くしている可能性があるということが分かったそうです。
菌の名前とか出てくると難しく聞こえますけど・・。
大まかに言うと、トレハロースが重い腸炎を引き起こす菌をパワーアップさせている可能性がある、ということですね。
事実、マウス実験では、トレハロースを与えた場合の方が何も与えないマウスと比べて腸炎が悪化するという事も起こったそうです。
このような実験結果や論文で発表されるということは、疑いようもなく身体に害があるじゃん!と思うかもしれません。
実際に、私もこの話には心配になって、我が家のトレハロース捨てたほうが良いのかと迷いましたから。
トレハロース特有の危険なのか
ただ、一つ気になったのは他の糖類を食べた場合に同じ事が起こるのではないか、という点です。
トレハロースは体内でブドウ糖に変わるので、その腸炎に関係する菌がブドウ糖をエサに増殖している可能性も否定できないですよね。
そこを詳らかにしていない論文に違和感を感じます。
そう思ってよく論文を調べてみると、ブドウ糖など別の種類の糖類も同じようにこの菌のエサになっていると考えられるデータが一緒に示されているにも関わらず、マウス実験ではトレハロースのみをクローズアップして取り上げているということが分かります。
なぜ、別の糖類でもマウス実験してみなかったのか?(もしくは実験結果を示していないのか)
トレハロースを危険だと言いたいが為の実験なんじゃないのかと、疑ってしまう余地があるんですよねぇ。
トレハロースは身体に悪いの?
さて、何だか調べてみるとスッキリしない論文だったのが分かってしまったんですが、実際問題トレハロースが体に悪いのか、ってところが一番気になりますよね。
今手元にあるトレハロースをどうすれば・・
って、私も同じ状況なのでよく分かります(笑)
でも、論文のあの様子から、これ以上は今の段階では個人の判断次第だと思います。
私個人の意見で言えば、結局のところトレハロースはお砂糖と同じような位置づけなんですよね。
例えば、この質問に皆さんならどんな回答をするでしょうか。
お砂糖は、体に良いものだと思いますか。
・たくさん摂り過ぎると身体に悪い? ・人工甘味料よりはマシ? |
この問いに私が答えるなら、「それ自体が身体に悪いものというよりは、摂り過ぎると身体に良くないもの」ですかね。
ですので、トレハロースについても「夢の糖質」と考えるほど健康に良いものじゃなさそうだけど、今のところ過剰に摂取しなければ大丈夫なんじゃないかなぁ、と思いましたよ。
もちろん、これはあくまで私の判断というだけのこと。
絶対身体に悪いんだわ、と思う人は当然摂らないようにしたら良いと思います。
今やお菓子や加工食品など、トレハロースを使用している食品は多いですからね。
気になる方は、知らずに摂っている場合がある事にも注意してくださいね。
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