旅行の際に、祖母にいつも持たされていた梅干し。
祖母曰く、「梅干しを食べていれば、食中毒にならないのよ」と言うことで、お守り代わりのような感じでいつも旅行の持ち物に入れていました。
梅雨時に、お弁当が腐りにくいとかで、最近でもテレビで特集していることもありますよね。
梅干しって、本当にそんなに万能なのでしょうか?
梅干しで食中毒が予防できると言われるのは本当なのか、どんな食中毒でも大丈夫なのか、気になったので調べました。
梅干しは食中毒予防に効果的なの?
まずは、梅干しの食中毒予防効果について。
梅干しが食中毒を予防すると言われるのは、梅干しに含まれるクエン酸などの有機酸の働きによるものだと言われています。
クエン酸といえば、疲労回復に良いと言われる栄養素で有名ですよね。
優れた解毒作用を持つことでも知られており、これが食中毒予防に効果を発揮してくれるんですって。
また、殺菌作用のある有機酸も含まれており、これが食中毒の原因となる菌やウイルスをやっつけてくれます。
さらに、梅干しに含まれる塩にも食中毒予防に良いと言われる働きがあるんですって。
塩と言えば、防腐作用があり、食品の保存に使われる事もありますよね。
お弁当などに梅干しを入れると、食中毒を予防してくれると言われているのは、この塩の防腐作用の働きでもあるんですね。
つまり、食品を腐りにくくし、殺菌してくれ、体内の解毒をしてくれる。
そんな働きが梅干しにはあるからこそ、食中毒予防に効果的だといわれているんですね。
この働きから、梅干しは食中毒になってしまった後の食事にも取り入れると良いと言われています。
梅干しの食中毒予防効果は万能?
では、梅干しの食中毒予防効果はどんな食中毒にも効果があるのでしょうか。
食中毒の原因になるのは、主に細菌やウイルスです。
有名なものに、黄色ブドウ球菌・サルモネラ菌・O-157・腸炎ビブリオ・カンピロバクター・ノロウイルスなどがありますね。
様々な実験で、梅干しが菌の繁殖を抑える作用があることが証明されており、その菌の種類は10種類以上にも及ぶことが分かっています。
様々な食品に付着したウイルス・菌が食中毒の原因に・・
上に挙げた代表的な食中毒の原因菌で、梅干しが効かないと言われているのは、ノロウイルスだけです。
ノロウイルスは、酸に強いウイルスだと言われており、有機酸の殺菌作用が効かないと言われています。
ウイルスの働きを抑制することができないので、ノロウイルスの可能性がある場合に梅干しを食べても予防にはならないというわけです。
梅干しの食中毒予防効果は、ノロウイルスには効果がない。
落とし穴?殺菌作用が低い梅干しとは?
じゃあ、梅干しを食べているから、ノロウイルス以外の食中毒にはならなくて安心かというと、そうではありません。
梅干しをいくら食べていても、身体が弱ってしまっている場合、菌を上手く排出できなかったり、殺菌し切れなかったりするんですよね。
そして、実は最近市販されている梅干しには、昔の梅干しほどの殺菌・防腐作用はないとも言われています。
これは、近年塩分を控える傾向にあることから、梅干に使用される塩分が控えめになっているのが1つ。
そして、市販の梅干には、減塩し調味料や保存料などを添加して作られた調味梅干しが多く、有機酸が従来ほどたくさん含まれていない事も原因だと言われています。
なので、以前各家庭で作られていた、手作り梅干しのような殺菌・防腐効果を得られないものもあるということですね。
梅干しが体に良いのは変わらないかもしれませんが、食中毒の予防と考えると、梅干だけに頼って何とかなる、と言うものではないという事ですね。
食中毒予防の基本は、「つけない・増やさない・やっつける」の3原則と言われています。
まずは、食中毒予防の3原則でしっかりと身を守りながら、併せて梅干しをお守り代わりに食べる、という2段構えでいく方が、食中毒の予防には確実ですね。
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